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那須高原での第二の人生~自然を体感しながら暮らしたい - 趣味遊遊

池田忠一さん(いけだ ただかず)プロフィール
1937年(昭和12年)神奈川県・横浜市(本牧)生まれ。現在は栃木県那須郡に在住。
関東学院大学を3年で中退し東京デザイナー学院でデザインの勉強をしていたが、洋画配給会社「日本ユナイト映画」の宣伝部員募集に応募して入社、7年間ユナイト映画でデザイナーとして活躍。その後は洋画宣伝の会社を経て、宣伝&デザイン会社「アイ・プランニング」を設立して最も多忙な時代を過ごす。
1989年に脳腫瘍で入院、これをきっかけに52歳でリタイア、以後は栃木県那須郡に家を建て、山菜・キノコ採り・燻製作り・ゴルフ・読書等の田舎生活を送る。

燻製作り、山菜・キノコ採り、自然の宝庫~那須高原


52歳のリタイアは普通に考えると早いですよね。でも脳腫瘍で手術をして、その後2ヶ月ほど入院して退院した時には、「昨日の僕じゃない」状態でした。リハビリもしたのですが、仕事をしていても以前と全然感覚が違うし、全く集中出来なくなっていた。少し説明しにくいんですが、僕の仕事は映画という宣伝する素材と、社会との接点、例えば笑い・涙・親子・恋愛・勇気・残酷・挫折などのテーマを見つけて作品を仕上げる仕事なのですが、社会が望むものが何か分からなくなっちゃった!来年はどの色が流行るかなど、現役バリバリの時代には判ったのにアンテナが錆びちゃったんです。

現在も脳腫瘍の後遺症というか、基本的に顔面の右側は一度麻痺したままです。大分治りましたが、右目の視力は0.01しかないし、右耳は全くダメで、あとは舌の右半分の味覚が鈍いなどもあります。それに注意していないと真っ直ぐ歩けないとかね。でも運転はOKだし、ゴルフは夫婦で年間100回くらいは行ってます。退院した当時は仕事を続ける選択もあったけど、「この体の状態では、もうこれ以上は出来ないな」と思いました。出来ない事がわかっているのに、過去の遺産で仕事を続けるのは潔くないと思ったことと、あとはシンプルに「自然の中で暮らしてみたいな」という気持ちがリタイアを決断した理由です。社会に役立たなくなったのだから、便利さや快適さはなるべく求めない。僕は未だにパソコンも携帯電話も持ちません。これからも持たないつもりです。誤解しないでもらいたいのは、便利さに反感を持っている訳ではないし、文明や社会に反抗している訳ではないのです。

ちょっと真面目になりました。ここで那須の自然の宝庫についてたっぷりとお話しましょう。


まずは燻製作りです。正直いうと現在、燻製作りは封印しています。本当は再開したいのですが、血圧が上がったために医者に釘を指されたんですよ。実はこれは平塚に住んでいる頃からの趣味だったんです。きっかけは妻がデパートで買って来た、燻製が作れるフィンランド式(だったか?)のスモーカーです。フライパンのような底の丸い中華鍋のような形をしていて、下にチップを敷いて作るのです。これは2年くらい使いました。


最初に作ったのは、川魚ですね。サイズ的には30cm程度がやりやすいですね。具体的にはマス・イワナ・ヤマメ・アマゴ・ハヤ(赤ハラ)などの燻製を作りました。僕は自分では釣りはしませんが、知り合いがくれるんです。そして何といってもベーコンです。あとハム。その他に燻製の材料としては、チーズ・ゆで卵などです。出来上がった燻製ベーコンを生のままレモンを絞って食べると絶品なのです。僕はパンが大好きなので、パンにベーコンをのっけてバターをたっぷりつけて食べる、牛乳は搾りたて(これももらいもの)、そしてチーズと、朝食はほとんど毎日このパターンでした。栄養的に肉類と乳製品ばかりですよね。医者が釘をさしたのは当然でしょうかね。これ以外にも、お店には絶対出ませんが、近くの牧場で妊娠して1週間以内の牛から取れる牛乳で作るチーズも最高ですよ。

さて次は山菜です。那須ではほとんど1年中、何かしら採取できるのです。1月からスタートすると、まずふきのとう、クレソンこれは3月までで地元では何故か高菜と言ってます、クレソンはおひたしにします。よもぎ・タンポポの新芽は天ぷらにサラダ、うるい(オオバギボウシ)、もみじがさ、セリ、ふき、ゼンマイ、わらび、こごみ、みず(ウワバミソウ)、つりがねにんじんなどいろいろあります。はずせないのはやはり「タラの芽」、もちろん天ぷらですがゴマ和えもいけます!それと僕的にNO.1なのは「あぶらこし」~土地では‘シラッキ’と呼びます。新芽の天ぷらは超絶品です。それに根曲がりダケ(細竹ともいいます)山菜シーズンの5月~6月は是非食べてみて欲しいですね!これだけ採れれば畑なんか作る必要はありませんよ。僕らはゴルフをしながら摘んできます。


さて次はキノコです。梅雨時のキノコはだめといわれます。何故か知りません。土地の方の言い分には逆らえません(笑)。そこで7月がスタートですね。ナラタケ、初茸、チタケ、ホウキタケ、ハタケシメジ、イグチ、クリタケなど、毒には気をつけなくてはなりませんので、ちゃんと知り合いのプロに最初は聞きました。今は分かります。あとはタケノコ、山栗。タケノコは何故か知り合いの人が山ほど持ってきてくれるし、山栗は香りが強く正月の栗きんとんをこれで作るとまたいいのですよ。あと11月は自然薯(ジネンジョ)、滅多に見ないかもしれませんが、普通の山芋や長芋よりも香りがあって粘りも強いのです。

最後に肉類も少しだけ。1度、家の2階のガラス窓を突き破って雌のキジが飛び込んできたことがありました。本来キジの雌は捕獲禁止なのですが(食用は雄だけ~狩猟期間のみ)飛び込んできたものは仕方ありません。美味しく頂きました。それとイノシシ、鹿など、あとこれは食べませんがテン、イタチ、ハクビシン、熊、狐、ウサギ、リス等を見ることが出来ます。いろいろな鳥はそれこそ数えたわけではありませんが50種類はいると思います。山鳥(ヤマドリ)という炎のような赤い鳥もいます。あとはお米!那須はコシヒカリを作っているのですが、安くて美味しいのです。那須のお米作りは歴史が古く、律令国家の時代からの歴史ある場所でもあるそうです。


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