皆既日食の不思議な魅力あれこれ

▲イラン観測山上(1999年)
もしかすると皆既日食を見たことがない人にとっては、イマイチ魅力が伝わらないかもしれません。でも
日食の魅力にはまっている人(日食病患者)は多いし、特に
日本人は皆既日食が好きなんじゃないかなと、世界を旅しているとそう思います。皆既日食時は空港でもホテルでも何処に行っても日本人の団体には会いますね。ある統計によると日本人で日食病にかかっている人は
2,000人~3,000人とも言われています。どうも
白人と日本人には日食病患者が多いようです。一昨年、エジプトの日食ツアーの時はリビア国境近くの砂漠に恐らく
1,000人位の日本人はいたでしょう。
面白かったのは2001年香港経由で南アフリカに入ったんですが、飛行機で乗り合わせた
中国の人々は誰も日食を見に行かないんです、何故でしょう、余裕がないのかなあ。あと最近は旅行会社も慣れたもので、
本番の前日に日食講座をツアー客用に開いたりしていますので初心者も心強いでしょう。

▲イランの皆既日食
ハワイ島のところでいいましたが、旅行社は日食観測中は、治安の問題もありますが、現地でなるべく分散させないような方策、すなわち現地の人からの隔離策をとるのです。例を挙げると、イランでの日食ツアーの時でしたが、私は既に何回かの日食ツアーの経験がありましたので、団体行動に不信感を抱いていたのです。
イランの時は大きな公園の建物をツアー客用観測所として指定され数十人が体よく隔離されましたが、私たち(その時は長女と四男を連れていました)は公園から離れた小高い場所にある
拝火教の山頂の寺院に難を避けたのです。これが大正解!つまり
皆既日食の時は暗くなるので、街中は街路灯が自動的に点灯するのですが、これが
日食の雰囲気を壊すのです。これは失敗したハワイの日食の時も、ゴルフ場が自動点灯したので予測していました。旅行代理店がわかってないなあと思うのはそんな時ですね。
イランの時は山頂から遠くの街中の点灯の様子も覗けたし、月の影が遠くから迫ってきて360度の地平線と山々の独特な赤色も見え大満足でした。
イランの人が胡桃を割って生の実を食べさせてくれたこともいい思い出です。(以上の話は、ばれると旅行会社から目玉を喰らいます)

▲エジプト(2006年)
あと日食を見るときに大切なのは、絶対に
双眼鏡はもちろん肉眼で直接、太陽を覗いてはダメです。悪くすれば失明します。
日食は必ず天体メーカー販売の日食眼鏡を使い見ること。
完全に隠れたらコロナやプロミネッサンス(炎)を肉眼や双眼鏡で覗いてその美しさを堪能しましょう。大きな撮影機材を抱えてきて日食を撮る日本人も多いのですが、私は重いので撮影はパスします。つまりカメラには頼らず自分の目で大切な1秒1秒を体験したいんです。写真は一緒に行って知り合いになった天体望遠鏡とカメラを抱えた人に
「送ってね!」といって頼んでます。事前に誰が送ってくれそうか狙いを定めるんです(笑)、もちろん送ってもらったら銘菓など送って御礼はしますよ。
皆既日食の魅力は色々ありますが、やはり神秘的な雰囲気~
地球創生の原始をちらりと味わえる事でしょうか。
黒い太陽を見ると誰でも興奮しますし、その瞬間に思わず叫び、飛び上り、拍手する人も大勢います。私は余裕があるので周りが騒ぐのを観察して楽しむのです。見晴らしが良ければ
月影すなわち大きな闇が時速数100キロ程度で迫ってくる、その様子も見えるし、
天空が暗く地平線が360度赤く彩られる様子も何ともいえません。また(実はほとんどの人は知らないのですが)皆既日食の前後2~3分前に起こる現象に
「シャドウバンド」があります。
観測地点の周りの建物や地面などに現れる波のようなゆらめきの事です。これも実に神秘的な現象です。いつでも見られるとは限りません。
ベネズエラの日食ではこれを期待してホテル専用の浜辺でビーチチェアーに寝ころび、
砂浜とホテルの白い壁にシャドウバンドがこれでもかと綺麗に見え、至福の時でした。

▲エジプトテント村
これ以外に重要なのは、
例え何年先でも日食のある日付はわかっているので、
会社の休みが取りやすい事ですね(笑)。数年前から前宣伝しておき、来年●月●日から△日間休みくださいと言うとみんな諦めてくれるんですよ。
「その時行かないと見れないんです」というと、行くなとは誰も言えないんです(笑)、周りからあいつは特別だと思われたらしめたものです。もちろん日頃から真面目に仕事をしていますので堂々と休暇を取れるのです。
日食の予定に関して不思議なのは
『18年と11+1/3日』という数字があります。これは
「ソロスのサイクル(周期)」と呼ばれているもので、簡単に言えば
18年と11日(この間の閏年の数によっては10日)と8時間ごとに、太陽と月と地球の距離と位置関係が再現される~具体的にはある日食が起こって、
この時間を経過すると経度で120度西にずれた場所に同じタイプの日食が起こるという周期なのです。
太陽と月の軌道の最少公倍数というと分かりますか?このサイクルは
古代ギリシャの時代に発見されたようですが、
日食がいつ・どこで・どのように見えるかをおおよそ予測するための周期なのです。

▲エジプト皆既日食の地平線
日食は旅行の楽しみを広げてくれます。2035年まで私の日食に関しての世界ツアーは決まっているんです。予定が決まっているとこれは中々楽しいですよ。ちなみに今後の皆既日食の予定表を書いておきます。是非アタマの片隅に置いておいてください。くれぐれも注意しますが
日食は何処で待つかが重要なポイントなのです。理科年表を買って各地の降雨量を知り当日の天気を予測しましょう。
<今後の世界の皆既日食予定>
●2009. _7.22__武漢(中国)~上海(中国)~トカラ列島(屋久島・奄美大島)
●2010. _7.11__イースター島(小さいので天気が悪いとNG、タヒチも掠るのでこっちがいいかも)
●2012.11.13__北オーストラリア
●2016. _3._9__インドネシア
●2017. _8.21__USA横断(これは陸地を横断するので初心者にもおすすめ)
続きを読む⇒日本百名山登山:1965~2001