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半農半X(はんのうはんエックス)という生き方、21世紀の生き方を求めて - 趣味遊遊

塩見直紀さん(しおみ なおき)プロフィール
1965年(昭和40年)京都府綾部市生まれ。89年に大学を卒業後、カタログ通販会社(株)フェリシモに入社、環境問題に関心を持つ。99年退社し、故郷綾部市にUターン。
95年より、「半農半X」(はんのうはんエックス)のコンセプトを提唱。自宅の田畑で米や野菜を育てながら、半農半X的生活を伝えるべく、半農半Xデザインスクールやワークショップをおこなったり、講演や著述の毎日を送る。またNPO法人「里山ねっと・あやべ」のスタッフとして都市と田舎の交流・田舎暮らし支援活動や綾部里山交流大学の企画運営を行なっている。
著書に「半農半Xという生き方」 「半農半Xという生き方 実践編」 「半農半Xの種を播く(共著)」など

(ブログ「半農半Xという生き方~スローレボリューションでいこう~」)






綾部での生活~田舎暮らしを選ぶ人々~仕事を作る能力

一ついい忘れたことがありますが、実は本格的に綾部にUターンする前、96年でしたが京都市内と綾部間が複線電化になり、特急電車が開通しました。綾部市は若狭湾に接する舞鶴市の山側ですが、これにより京都市内まで通勤が可能になったので、半年くらい100分かけて綾部から通勤してた時代があります。
私は25歳で結婚しましたので、当時はもう妻がいたわけですが、この時に農業をスタートして食生活がガラリと一変しました。つまり以前から食生活に関して興味は持って自然志向でしたが、本格的にヴァージョンアップして粟やヒエの雑穀中心のご飯の生活にしたのです。すると3ケ月目に子供を授かったという事がありました。結婚して7年目、自分の中では中々授からないけど、すべては神様に任せようかという時期だったので嬉しかったですね。育児のためにまた京都市内にまた戻ったんです。

今はまた田舎暮らしブームですね。時代がそれを加速させています。実際、「半農半X」の本を読んで私のHPにアクセスして連絡してくれる方もたくさんいますし、書店での調査では20~40代の人が最も田舎暮らしに興味を持っているというデータもあります。
とはいえ実際に田舎暮らしをしよう、したいと思っている人にとって、最初に難関となるのはまず住む家がない事です。

実はここ綾部市(人口約3万7千)でも古民家などの空き家が900戸もあるといいます。じゃあそこを手直しして住めばいいと思うかもしれませんが、ことはそう簡単ではありません。
900の空き家の内、実際に市役所・不動産屋・直取引などで出てくる物件は年間せいぜい30戸くらいでしょうか。つまり持ち主が様々な理由で(本人はOKでも親戚がNO、故郷がなくなるのはイヤ、仏壇を置いておきたい・・・)売りに出さない、貸すことはまだ稀なのです。都市計画法という法律もあり、全くの更地に家を建てるのも制限されています。結構面倒なのですね。
お金がある人のパターンだと古民家を600万円で買って、1400万くらいかけてリフォームして住む人もいますし、所有にこだわらない人の場合は一軒家を借りる~この場合、家賃は1~2万円で済みます。

村おこしという言葉はどこでも聞かれます。地方の町や村では今、人口減少が深刻です。そんな中でも田舎暮らしを選ぶ人も激増している感触はあります。
ただし私が思うのは田舎暮らしをする事は自然が多い場所に温泉付の別荘を買って住むという感性ではダメなんじゃないかな、と思っているのです。田舎が抱えている問題の一つに仕事がないという事があるといわれていますが、大切なのは田舎で仕事を作り出す能力、自分で食でも職でも何でも自給する力なのです。

こんな例があるのですが、綾部のある65歳の女性の方の話です。その方はいつも軽トラで野山や村を走り回っているのですが花を見るとドライフラワーの素材に見えるそうです。京都(市内)に持っていけば、都会の人が喜んでくれ、小さいながらもハッピービジネスとなるのです。これは結構重要なことですが、田舎は刺激がないからつまらないと思い込むのではなく、そんな風にアイデアが次々と湧き出てくるような感性を持つ事が重要だと思うわけです。田舎にこそ企画力や営業力、発想力が必要なのです。そして、自然は感性を磨いてくれます。

それでもその土地や地域に慣れるには10年はかかると思っていたほうがいいと思います。村社会とか地域の行事とか・・・適応力が高い人もいますが、はっきり言えるのは受身型だと老後は心配ですよ。だから田舎暮らしを考えるならリタイヤしてから探すのも結構ですが、出来れば早いうちからのほうがいいと思うわけです。
都会のキャリアを田舎で生かす方法はいくらでもあります。営業能力や投資能力(地域資源をどう売るか)も必要なのです。北海道の土地をオーストラリア人が買っている現象なんて投資能力の最たるものでしょう。

例えばキューバという国は国民のうち300万人が有機農業で食べている国と聞いています。皆がX(エックス~仕事)を発揮したらすごい事になる訳ですね。まあキューバはラテン気質というか、あるミッション(仕事)を計画的に誠実に実行するのはあまり向いてないかもしれません。
あとはロシアではダーチャという菜園付きの別荘で週末はジャガイモを育てて過ごします。ジャガイモは100%自給してる訳です。でも平日は嫌な顔して働いているかもしれません(笑)。


▲田起し
中国が輸入国に転じたという事情もありますし、「いつまでもあると思うな親と食糧」ってなもんですよ。日本も(食糧やエネルギーは)お金を出せばいつでも買えるなんて思わないほうがいいです。エネルギー(資源)と食糧は昔から争いの原因ですし、それを考えると自然と小さな農業に行き着くんです。なるべく化石燃料は使わない、食はちょっとでも自分で自給する、という形ですね。
人生において「小さな農ははずせない、そしてやりたい事もある」という形を目指す訳です。2兎を追うものは・・・ということわざもありますが、2つあるからこそ見える世界もあると思うのです。


続きを読む⇒環境問題と自分探し~4つのK~自給能力


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