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糸井文彦さん ワーグナーとフルトヴェングラーに魅かれて - 趣味遊遊

糸井文彦さん(いとい ふみひこ)プロフィール
昭和20年(1945) 名古屋生まれ。幼少時代は京都、尼崎などを経て大阪大学に進学、
山岳部に籍を置く。その後、富士銀行(現みずほ銀行)に就職。24歳で東京に赴任。
IT部門・システム開発関連会社を歴任した後、2005年4月退職。日本郵政公社を経て
現在は郵便事業(株)で事業開発部に勤務し、自宅の横浜市戸塚区から霞ヶ関まで
通勤している。

クラシックの趣味、家族、仕事~これからのこと


なにやら雑然と私の趣味について語ってきましたが、皆さんの目にはどう映るのでしょうか?最近は毎日東京へ通勤するのもそろそろしんどくなってきたので、フルタイムで働くのを止めた時のことも少し想像します。職場には60歳以上がほとんどいないのですが、私個人としては仕事に対するテンションも高いのです。一ついえるのは、全く仕事をリタイヤして毎日、音楽や山三昧という生活はありえないし嬉しくない、という事です。現在の仕事は自分の元々の本業のIT部門のマネジメント&コンサルタント業務から少し外れた新たな分野ですが、それらも含めた幅広い分野で出来れば70歳くらいまでは切れずに仕事を続けていって、その上で音楽や山の趣味もやりたいのが本音です。

一千万円もするオーディオセットや7000枚のLP&CDなんていうと贅沢と思われるかもしれません。しかし私はゴルフもしませんし(仕事上の付き合いではやりました)、車も持ちません。奥さんも私も免許を持っていないのです。その生活パターンで特に不自由を感じなかったせいでもあります。30年前に引越ししてきたこの自宅は1度もリフォームしていませんし、洋服なども興味がないせいもありますが必要最低限で済ませています。それに自分の欲しいオーディオを買うときはほとんど借金して買ってました。キャッシュで買ったことなんてほとんどないです。私の定義からすると「借金してでもやるのが趣味」なんですよ。自己資金だけでやるのは趣味とか道楽とか言わないんじゃないですか?ただの遊びや楽しみではないという事です。でも今はもう借金はできませんよ、お金は豊かでなくても困らない程度で充分です。


▲フルトベングラー協会発行の研究資料
しかし、考えるとこのクラシック音楽の趣味は全く家族には冷ややかに受け取られているのは確かです。娘は現在パリでファッション関係の仕事をしていますが、息子や奥さんは私の趣味に関してはもうすっかり呆れてしまっていて全く無関心ですね。オーディオセットは他の家族は全く使いませんし、まあ本やLPがこの部屋からはみ出さない限りはもう諦めていて何も言いません。家族に迷惑は掛けてないというささやかな自負はあるんですが・・・どうしてクラシックが好きになったかは分からないと言いましたが、好きになるのに理屈はいらないのではないでしょうか?一つ思うのは私の奥さんは非常に友達も多いし社交的ですが私はどちらかといえば1人の方が気楽という性格です(と言っても友人が少ない訳でもありませんけれど)。

考えてみれば、私は音楽に関してはオーディオそのものが趣味の対象というより、やはりソフト派~つまりレコード(中身)が好きなのですね。ただし数が問題ではないのです。雑誌などでとんでもない数のクラシックLPを持っている人の記事を見るとオーディオ装置は極めてプア(貧弱)であることにびっくりします。ソフトをそれだけ持ってるのに何で?と思いますよ。一方ですごいオーディオセットを持っている人はソフトはあまり多くなかったりします。普通はソフトかハード、どちらかなんでしょうね。でも私は機械が好きという面もありますよ。というより「インダストリアル・デザイン(工業デザイン)」が好きなのです。スピーカーでもアンプでも、いかにもメカっぽいデザインはあまり好きではないのです。性能だけじゃなくてカッコイイ綺麗なデザインが好きですね。


▲ワーグナーCD-BOXセット

たまに音楽仲間と会話したり、雑誌で同じ趣味の人の記事を読んだり、クラシックを聴かせる場所に行って感じるのは、やはり自分で言うのも何ですが、「自分ほど凝っている人はいない」、「こんなに幅広く聴きこんでる人はいない」と思ったりする事もあるんです。何でこうなったのか、自分でも分からないですよ。自分の人生の半分はクラシック音楽とオーディオ装置で染まっているわけです。

このクラシック音楽趣味は何処へ行くのでしょう?普通は音楽が好きな人でも多くはLPを見限ってCDに買い換える人が多いでしょう。手間のかかる針のプレイヤーや様々なセッティングを必要とする機材を処分する人もいるでしょう。事実、仲間の古いLPを私が引き取る機会もありました。「全部処分するから欲しかったらあげるよ」と言う奴がいて、200枚ほど送られてきたときは奥さんから「これから物を減らさなくちゃならないのに、何よ!」と大騒動でした。「絶対、この部屋から外に出さないで!」と。まあ見てるだけでイヤみたいですね。さすがに不要なLPやダブっているものを多少抜きました。まあLPはもうほとんど欲しいものがなくなってきたし、これからも数は少しずつ増えるでしょうが全く処分する気にはなりません。でも最後は中古盤屋に「二束三文」でしょうか。あまり深く考えていません。


▲試聴中の糸井氏、左はタンノイ・オートグラフ
オーディオでもスピーカーは5.1chとかセンターウーファーとか、そういう方向の懲り方をする人もいますが、私はその必要を感じません。昔のモノラルLPでもレンジは狭いかもしれませんが、ちゃんとした録音ならばきちんとした音は出ます。「私はマニアではない」というと可笑しいでしょうか?でも本当にそう思っているんです。何故かというと、私はCDやLPをコレクションしている気はないのです。人が持っていない貴重盤を手に入れる事、収集数で1番を目指す事が目的ではないからです。そういうマニアの同好会とか批評会などの輪には入りたくありません。私は「音」を聴いているのではなく「音楽」を聴いているのです。それでもワーグナーの演奏は指揮者ごとに聴き比べたいのです。やっぱりマニアですか?でも次々と聴きたいものが出てくるし、という事は好奇心や興味が衰えてないという事で、それがなくなったら終わりですから。欲しいスピーカーまだあるんですよね(笑)

クラシックとの出会いはワーグナー・ドイツ好きから始まった←最初から読む

 
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