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糸井文彦さん ワーグナーとフルトヴェングラーに魅かれて - 趣味遊遊

糸井文彦さん(いとい ふみひこ)プロフィール
昭和20年(1945) 名古屋生まれ。幼少時代は京都、尼崎などを経て大阪大学に進学、
山岳部に籍を置く。その後、富士銀行(現みずほ銀行)に就職。24歳で東京に赴任。
IT部門・システム開発関連会社を歴任した後、2005年4月退職。日本郵政公社を経て
現在は郵便事業(株)で事業開発部に勤務し、自宅の横浜市戸塚区から霞ヶ関まで
通勤している。

ヒマラヤへの誘い~ナムチャバルワとナンガパルバット

クラシック音楽やオーディオなどマニアックな話から離れて、今回は山登りの話をしようと思います。プロフィールで触れましたが私は大学時代4年間を体育会山岳部で過ごしました。当時は山が好きな人はワンダーフォーゲル部に入って野山を歩くという人がほとんどでした。これはソフトな山好き用です。女の子でも充分可能なので、部員があまりに一杯になりすぎ面倒見切れないということでトレーニングをハードにした、なんて噂もありました。高山植物とか花が好きな人、写真が趣味の人はだいたいこっちです。しかし私の入部した山岳部はそれとは全く目的を異にしていました。要するに「目標ヒマラヤ!」という訳でトレーニングもかなりハードなんです。私も当時は4年間毎年100日位はトレーニング&メインフィールドである富山県の剣岳などに合宿に行っていました。


▲チベットにて
何せ目標ヒマラヤですから訓練も冬山&岩登りです。当然女の子は0人。何で入部したのでしょう?想い起こしてみると、中学時代は生物研究部主催の白馬岳登山に部外から参加したり、やはり潜在的に山や自然が好きだったんでしょう。身体が小さくて体力に全く自信が無かったので始めはワンゲルに行こうと思っていたのに、上手く勧誘されたとしか思えません。それからは毎週末はトレーニング、5月・夏・10月・11月・冬・春には合宿という生活でした。合宿は当時は「定着合宿」と「縦走合宿」がありました。「定着合宿」とはテントを張ってそこを基点として放射状に四方八方に歩きだすやり方で、「縦走合宿」は文字通り荷物(30kg)を背負っての行軍です。合宿は冬は2週間、春とかは1ヶ月とかね。その時の仲間とは現在でも切れずに付き合いが続いていますよ。


▲中央アジアの衛星地図
さて就職して20年以上、山とは全くご無沙汰でした。それが復活したのは会社内の某部下の影響でした。忘れもしない1994年、49歳の時です。その人はかなりアウトドア好きで自由人というか、銀行関連会社という固い職場にしては平気で長期休暇を取って世界中を旅する~しかも僻地に旅行するので有名でした。「絶対に迷惑はかけませんから20日間お休みください!」とか。それで南米のパタゴニアから帰ってきて話をしたりしていて、そんな時に火が点いたのでしょうか?山岳部だった経験もありましたが、登れないまでもせめて自分の目でヒマラヤを見てみたいなあ、と思ったのです。山の写真集や本(山の雑誌「岳人(がくじん)」)は相変わらず見ていましたし、それが友人の海外辺境旅行の話を聞く内にヒマラヤへの憧れが復活したのです。

結局その年に初めてエヴェレスト方面に行きましたが、ちょっと周りの抵抗はありました。当時は銀行関連会社で部長職だったので、上司に「ヒマラヤ行きたいので休みたい」と言ったら「えっ?」という感じで。でもそれ以来毎年、会社を休み易い年末・年始シーズンに10日間前後、ネパールやチベットのツアーに出かけていたら行き易くなって、「今度はどこへ行くんですか?」(笑)。もう13年になります。予算的には私の参加しているツアーだと9日間で40万円程度。交通費、宿泊(テント)、食事、ガイドすべて込みです。


山登りといってもトレッキング、つまりテント生活をしつつ歩いて山を巡る山登りスタイルです。頂上を目指すのではありません。けれどもテント生活、寝袋、粗食、風呂なしなどが耐えられない人は難しいです。多少の経験は必要ですね。あと1番問題なのは寒さと高山病です。当然、富士山より高い4000~5000m級を移動しますから、酸素が薄くなって吐き気や頭痛は予想されます。舐めてかかると痛い目に遭います。けれどもポーターやシェルパ(ガイド)の付き添いで山を登るわけですから、重い荷物を背負って歩くわけではないのです。最近はチベットはともかくネパール政府は、外国人観光客の外貨獲得のためにテントがNGの人用にロッジを作ったりしているようです。

ヒマラヤ山脈はインドの上部に東西に伸びる山脈で大体長さは2400km、ほぼ日本列島の長さと一緒です。私は一昨年、東の突端にある東チベットのナムチャバルワ(7782m)方面に行きました。ヒマラヤは夏は雨季で冬は乾季になりますから乾季の方が山に雲が掛からずよく見えるんです。山が好き、写真を撮る人は乾季ですね。花や高山植物が好きな方は夏もいいかもしれません。ゆくゆくは西の突端にあるナンガパルバット(8126m)方面にも行きたいのですが、これはパキスタン方面になるのでベストシーズンが違っていて年末・年始シーズンは少し難しいですね。



こういうツアーは贅沢な日本人にはあまり馴染みがないかもしれません。それでもヒマラヤの8000m級の山の景色の美しさ・雄大さ、神秘的なヒマラヤ山脈の空気は何物にも変えがたいですね。実は最初の旅行の時、自分は元山岳部だし大丈夫だろうと高を括っていたら結構とんでもなく寒くてしんどかったんです。私は現在これといってスポーツはしませんが、ちょっとトレーニングしなくちゃいかんと思い、山登りの体力・気力を維持するために自転車で毎週あちこち出掛け始めました。そんなにハードではありませんが鎌倉や江ノ島まで往復して40kmとかを走ったりしています。数年前迄は夏休みに房総半島や伊豆半島を2泊3日かけて走ったりもしました。

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