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糸井文彦さん ワーグナーとフルトヴェングラーに魅かれて - 趣味遊遊

糸井文彦さん(いとい ふみひこ)プロフィール
昭和20年(1945) 名古屋生まれ。幼少時代は京都、尼崎などを経て大阪大学に進学、
山岳部に籍を置く。その後、富士銀行(現みずほ銀行)に就職。24歳で東京に赴任。
IT部門・システム開発関連会社を歴任した後、2005年4月退職。日本郵政公社を経て
現在は郵便事業(株)で事業開発部に勤務し、自宅の横浜市戸塚区から霞ヶ関まで
通勤している。

クラシックとの出会いはワーグナー・ドイツ好きから始まった


クラシック音楽にはまって随分たちますね。持っているのはLPとCD合わせて7000枚くらいでしょう。どうやって把握しているかよく人に聞かれるけど、実は全部アーカイブ・リストを作ってあるんです。ジャズもちょっぴりありますが、99.9%はクラシックです。他のジャンルはほとんどわかりません。大体LPが5000枚にCDが2000枚位かな。この部屋はオーディオとレコードで埋まってしまい、限界に近いですね。でも他の部屋に溢れると、奥さんに文句いわれるので、しょうがないからここに積み上げてるんですけど(笑)

どうしてクラシックが好きになったのかよく覚えていないんです。リストによると最初のレコード購入は昭和34年12月、これが1枚目ですね。14歳くらいですから、もうほとんど半世紀になります。

小さい頃に親が17センチのポータブル・プレーヤーを買ってきたのは覚えてるんです。だけど父も母も特に音楽が好きという訳でもなかったんですね。最初に買ってもらったのは25センチLP盤の「美しく青きドナウ」です。これが先程の最初の1枚目です、1000円でした。


▲購入第1号「美しき青きドナウ」25cmLP
現在は全7027枚ですね。記録を見ると1番多い年で年間600枚近く買った年もあります。もちろんLP盤だけじゃないですよ、CDも合わせてです。LPがあっても同じCDを買う場合もあります。オペラなどは好きなんですけどワーグナーの「ニーベルングの指環」*なんて全曲セットで20枚もあります。だからLPだと飛ばして聞くのが難しいのでちょっとつらい訳ですね。でもCDならトラックがあるから聴きたい部分を選択出来るでしょう。それにLPの新録音はもう出ませんが、新しい物も聴きたいですから。

*「ニーベルングの指環」;ワーグナーの楽劇。上演に約15時間かかる。通常は序夜「ラインの黄金」、第一夜「ワルキューレ」、第二夜「ジークフリート」、第三夜「神々の黄昏」の4日間に分ける。

私は特にどの分野が好きという事はあまりないんです。古い音楽から現代音楽まで時代を問いません。音楽ジャンルについてはオペラも好きだし、室内楽、ピアノ、バイオリンも好き。それでも総じて言えばワーグナーとかブラームスとかドイツびいきかもしれません。ワーグナーは40年前に「ニーベルングの指環」の4万円のセット(ショルティ指揮)を買いました。その後更に、クナッパーツブッシュほかいろいろな指揮者のものを全部で5~6セットも買ってしまいました。文学や絵画でもドイツ系はお気に入りですね。もちろんベートーヴェンやバッハも大好きですよ。大体は万遍なく聴きます。ベートーヴェンは特に弦楽四重奏曲が好きで全集を何種類ももっていますが、これは20歳のころからずっと変わらないですね。

クラシック音楽を好きになりかけた中3~高1の頃、(裕福な家の)級友が(貧しい家の)私にレコード(LP)を貸してくれたことがありました。今でも覚えているのは次のものです。

・ワーグナー 管弦楽曲集  クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団 LP2枚組セット
・ブラームス 交響曲no.3   フルトヴェングラー指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
・ブラームス 交響曲no.4   フルトヴェングラー指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

これらが私のワーグナー好き、フルトヴェングラー好きに火を点けて大きな影響を与えたのは間違いありません。その友人は約10年前に早世してしまいましたが、私を終生の友としてのクラシック音楽へ導いてくれた恩人として決して忘れることの出来ない人です。因みにこれらのLPは何れもその後社会人になってから入手し、今でも私の宝物となっております。

一つ覚えているのは昭和42年に大阪フェスティバルホールに来たワーグナーの「バイロイト・ワーグナー・フェスティバル」です。このチケットを1年間の分割払いで買って聴きに行ったんです。当時、銀行に就職したばかりで、開演が夕方5時だったので上司に「お願いします、もうチケットを買っちゃったんです」と必死でお願いして、早めに会社を飛び出したのを覚えています(笑)


▲アンプ、マッキントッシュ
最近はCDを買う機会も増えました。けれどこれだけLPが多いとどうしてもいい音で聴きたいですから、やっぱりオーディオにも凝っています。今現在はLP用(レコード用)の装置とCD用の装置が別にしてあります。LP用装置のスピーカーはイギリスのタンノイ社製。以前は同じタンノイの中型のを持ってたんですが、オートグラフという有名機種が2000年にダミーではない完全限定版で復刻されたので、どうしても欲しくなって買い換えちゃいました。値段は・・・正価は500万円ですが、少し安く手に入れたんです。クラシックはタンノイ、ジャズはJBLという人が多いです。でも私はCD用装置のスピーカーにもう25年前からJBLを使っています。LP用装置のプレーヤーはトーレンス・レファレンス、アンプはマッキントッシュの管球式です。オーディオセットの金額はそれなりにはかかりました。スピーカー・アンプ・プレーヤー・イコライザー・アーム・・・・LP装置でトータル一千万円位でしょうか。!!

そういえば4年前に岩手・一ノ関のジャズ喫茶「ベイシー」に見学に行きました。ここのオーナーは菅原正二さんといって、ジャズファンの間では超有名人です。もちろんスピーカーはJBLでしたが素晴らしいセットでした。この人はこだわりがすごくてCDは絶対にかけません。あと作家の五味康祐さんはオーディオマニアとしても有名ですが、「西方の音」という著書に大変感銘を受けました。五味さんは日本で最初にタンノイ・オートグラフを輸入した(1964年)人として有名です。私は本も好きで、音楽関連の書物も結構読んでいると思います。演奏家評伝、作曲家評伝、楽曲解説、評論、等々何でも読みますが、特に吉田秀和さんの書かれるものが好きで全集のほか主要著作は大部分持っています。雑誌でもオーディオ専門誌の「Stereo Sound」は昭和41年の創刊号から全巻すべて持っています。そういえば雑誌の「レコード芸術」も20歳くらいから40年分とってあります。捨てられないのが私の弱点でしょうか?


▲CD装置、JBLスピーカー
よく「CDとLPはどっちの方が音がいいんですか」と聞く方がいます。CDは確かに上下の音域をカットしていますが、私は(技術の進歩もありますが)CDの方が素晴らしい音だと思っています。というか簡単にいい音が聴けますよね。つまりLPでちゃんとした音を聴こうと思うと結構大変だという事です。単純な比較は難しいのです。レコードプレイヤーやLPも段々少なくなりますし、それを維持していこうとする人は少ないでしょう。もちろん昔のLP盤はCDに復刻されていない作品も数多くありますし、私はそれらをちゃんとした音で聴きたいという願いがあるのです。それをやろうとすると、ものすごい手間とお金がかかるのです。機材のメンテナンスやLP盤そのものも放っておけばカビが生えたりします。聴く時だって(CDでも)皿を入れてすぐ再生OKにはなりません。ちゃんとした音を出そうと思うと、アンプのパワースイッチを入れてから30分程度は暖めてやらないと実力は発揮出来ませんよ。

続きを読む⇒指揮者:フルトヴェングラーとトスカニーニ

 
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