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九里保彦さん ヨットとの出会い~免許・船の装備のはなし - 趣味遊遊

九里保彦さん(くのり やすひこ)プロフィール
くのりやすひこ昭和16年(1941)横浜市南区生まれ。
住まいは横浜市、横須賀市、と変わり現在は葉山町に在住。
昭和41年老舗書店の有隣堂に入社。店売・外売・企画・宣伝畑を経て、取締役、常務取締役を歴任後、2003年にリタイヤ。
以後は2002年に購入したヨットクルーザーの係留地である西伊豆と自宅の葉山と半々の生活を送る。
ヨットでの航海のほかにウクレレ、水彩スケッチ、トローリング、お魚料理、茶道などで忙しい日々を送る。

(「あうんの日記」)






ヨットとの出会い~免許・船の装備のはなし


ヨットのきっかけは意外と古い話。有隣堂に入社して1年経った頃、後輩に大学のヨット同好会出身の後輩が入ってきて、なんと2人乗りのヨット(ディンギー)の相方を探してて「やりませんか?」みたいに誘われたんだ。それでヨット借りて何回か海に出たけど、その後輩が下手くそだったから、ヨットはひっくり返る思い出しかない(笑)海に出てもよれよれで、年中ひっくり返る。こっちは初めてでしょ。結局その夏はマスターしないまま終了。
しかも、その後輩が次の年に会社を辞めちゃった。
だからその時の経験は完全にヨットのロマンを封印したものだった。不完全燃焼もいいところ。

それから20年以上ヨットとの関わりはないまま過ぎるんです。
それが・・・40代半ばになった時に、小学校のクラス会で・・・・また出会ったんですね。
その小学校のクラスメイトに「葉山マリーナ」に勤めている女性がいた。昔の経験を話したら、
マリーナにスポーツクラブがあり、教えてくれると聞いたんです。
今、考えるとあの時が重要な節目だったね。年齢のせいもあったかもしれないけど、趣味のようなものをいろいろかじってきて「もうちょっときっちりやりたい」と思っていた時期だったような気がする。それで思い切ってクラブに入会した。年会費を払うと教えてくれるし、ヨットもレンタルしてくれるんだよ。

その「葉山マリーナ」で3年余り修行した。講師はみんな大学のヨット部のアルバイトさん。息子、娘みたいな人達、でもみんな逞しいんだ。
そこでヨットの基礎を1から勉強した。帆走の仕方の基本をね。
お休みにクラブに通うのが楽しくて、楽しくて・・・
当時の経験は本当に役に立ってると思う。何故ってエンジンのないヨットを風だけで帆を使ってあやつるという事がどういう事なのかを体で覚えていった訳だから。後半には一人乗りのディンギーに乗った。バイクみたいで実に楽しいよ。水面ぎりぎりまで体を傾けて、風と一体になれる。

その後、高校の先輩の三浦三生さんというクルーザーヨットの師匠についた。
師匠のヨットは「韋駄天(いだてん)」といって、今の僕の‘あうん’よりちょっと小さな26フィート位だった。
小さいけど素敵な船で、それに乗って14~15年お世話になった。その間はチャンスがあれば色々なヨットに
乗せてもらったし、1999年から2000年にかけて開催された「JAPAN~GUAMヨットレース」にも参加出来て、長距離航海の体験も出来た。


航海では入港・出港時が一番難しいんだけど、韋駄天ではついに一度もやらせてもらえなかった。オーナーは船を大事にしていて、人に任せて何か起こったらまずいと思っていたんでしょう。
僕がおっちょこちょいで心配だったんだろうな。結局、入出港の技術を学んだのは自分の船を持ってから。だから僕のヨットキャリアは5年と言ったほうが良いのかも。
良く「俺は何年乗っている」という人がいるけど、乗っている期間はあまり信用しない。何を勉強したかだからね。

この頃です、船舶1級免許をちゃんと取ったのは。
船舶免許って昔は1級から5級まであったけど、今は基本的に1級と2級だけ、ジェットスキーは別です。1級と2級がどう違うかというと、簡単にいうと行ける距離が違う。
1級を持ってれば(船の大きさ・重さ・装備の制限はあるけど)世界一周もOK。2級では湾などの囲まれた水域や海岸から5海里(約9km)までしかダメ。
やる気があれば誰でも取れる。本当言うと1級免許なんてそんな難しくないんですよ!「結構いい加減」というと怒られちゃうかな。でも車だってそうだけど、免許取ったら乗らないと駄目。
車でもペーパードライバーは沢山いるけど、船のペーパードライバーは殆ど操船不可能。道路があるわけではないし、ブレーキもない。波と風が相手だから。


▲「あうん」設計図

実をいうと船で(沖縄とか小笠原とか)遠くへ行こうと思ったら、
①自分の資格(船舶免許)の他に ②船の装備 に関しての規則もクラスがきちんと決められているんだよ。つまり免許だけあってもダメって事。最近特に厳しくなってきている。
例えば世界一周しようと思うと船の装備に関して<遠洋資格>がいる。これは「ライフラフト」というその船の定員が乗れる救命テントみたいな物(膨張式救命イカダ)やイーパブ(救命信号発信装置~要はSOS信号ですね)や、いつでも連絡が取れる無線の設備等々、もろもろの設備がなくちゃならない。命を守るために。
僕の‘あうん’はそこまでの装備はない、つまり今は<沿海資格>の装備がしてある。
この<沿海資格>は陸伝いだと沖縄までは行かれる。船の装備と免許の両方から航行区域が限られてくるというのが今の免許制度なんだ。
本当はいつでも世界中に飛び出せる設備をそろえておきたいのは山々だけど、設備を維持するのは経費がかかる。「ライフラフト」(膨張式救命イカダ)だって50万円くらいする。
買えば良いというものでもないしね。定期点検の費用も馬鹿にならない。僕みたいにたまにしかロングに行かないのに総てを積んじゃったら維持費ばっかり掛かるからね。


▲キャビン内炊事場
ということで、結構面倒なことは沢山ある。例えば2003年に小笠原に行った時も、装備の準備が大変だった。
小笠原まで行くには<遠洋資格>が無いと行けない。だからその時にはレンタルで必要備品を借りて資格をとった。
今回の沖縄行きは4月に法律が改正され、<沿海資格>で本島までは行けるようになったので、特に設備を準備しなくても行けた。
要は「人間の資格(船舶免許)」と「船の資格(装備)」を組み合わせないとロングクルージングは出来ない、という事ですね。

続きを読む⇒ひとりで沖縄ロングクルージング

 
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