漁師さんもビックリの船舶模型
僕は漁師の家に生まれたので、
子供のときから海と船はとても身近なものだったわけ。
もともと、手先が器用というか、何かを作るのが好きだったので、実物大の20分の1の船の模型を作って見ようと思ったのがきっかけかな。
会社勤めのときには休日にこつこつ、退職してからは半年くらい夢中になって20年くらいかかったかな。
これでできあがったのが、実家の
船宿の『第一おだか丸』。今は自宅の玄関に飾ってある。
これが船の模型をつくった最初で、それが今や注文から3年待ちの船の模型製作「宝船堂」の代表になっているのだからおもしろいね。
趣味というかボランティアとプロの間と本人は思ってるけど、まあ、本物のような模型を作っているよ、毎日。
「本物より」精巧の訳ないけどさ(笑)
子供の頃から漁船とか漁師は好きだったよ。
今でも兄さんの経営する船に乗ってお客さんを案内するよ。
船内スピーカーで「えー皆様、本日の注意事項は・・・」とかそんな感じ。
中学生の頃から家を手伝っていたので、当然小型船舶1級免許ももちろん持ってる。
漁師には学歴はいらないしね。
40年前くらいに、2週間講習を受けて漁師の資格を取ったんだ。兄さんの本借りてさ。
会社は7年前に定年退職。
元々会社は
航空電子機器メーカーだから設計図とかは得意でさ。ジャイロってわかるかな?
ジャイロスコープはね航空機・ロケット・船などの姿勢・方位基準装置などに使用する計器でね。
船好き、模型好きが影響して、船の模型をつくったわけよ。
大きさは1/20かな。
本体の材質は実物と同じFRP(繊維強化プラスチック)、舵輪は舵と連結してるし、スクリューはアクセルで前進・後進に回転する。明かりもつくよ。
型取りや素材の流し込み、これは大変なんだけど、企業秘密で言えない事もあってね。
全部一人でやったんだよ。
金の帆とか、舵輪・スクリュー・緑赤灯・レーダーアンテナとか精密さにはこだわって精魂こめてつくっているんだ。
このこだわりが、おもしろいんだよ。
オーダーは3年待ち
漁師の仲間に知れたら、‘俺にも俺にも・・・‘みたいになっちゃってさ。
やっぱり借金とかして5000万円とか6000万の船を買うでしょう。
せっかく買った大事な船だから、同じものを玄関とか床の間に飾って自慢したいのかな。
完成すると、ホント、みんな喜んでくれる。
1/20の模型(LL-型、約85センチ)1艘でやっぱり半年はかかるね。
最初のうちは、デッキの上のモップまで全部自分で手つくりしていたけど、最近は部品なんかは少しずつ人に任せるようになってきた。
といっても、
地域の野球の仲間とか、気心のしれた友達だけど。
定年するとやることないと老け込むからさ、何かやってたほうがいいじゃない。
すこしだけど、お小遣いにもなるし。
完成品は今まで12~3艘位作ったかな。
という感じで船の模型製作の「宝船堂」を作ったのが平成15年、65歳の時。
今は3年先まで予約で一杯。
値段?う~ん・・・・ 。大きさとか形とかによっていろいろだけど、(
*100万円程度)でもそれでも実は安いんだよ。
計算すると完成までに
600時間程度はかかるからね。
採算は合わないね。
この間、
船宿の若奥さんから「注文したいけどちょっと高い、買えない」とか言われて何とか安くする方法も考えてる。
今はボランティアとプロの中間だけど、もう少し手伝ってくれる友達にも(利益を)廻したいしね。
プロには出来ない
はっきり言っとくけど、この模型はプロには出来ないと思ってるんだ。
何故って製作期間とか部品とか、いろいろ考えるとやっぱり赤字だよ。
プロは採算を考えなきゃならないし、
こんな面倒で儲からない事はしないよ、こんな時間かけてはやらない。
そりゃゆくゆくは
これを長男に受け継いでとか考える事もあるけど、すぐには無理だね。だって収入にならないもの。
別の事で
収入がある程度見込みがついたら、是非やって欲しいけどね。
彼は今もインターネットで情報を送ってくれたり「お父さん、安くすることよりブランドにしたほうがいい」とかアドバイスをくれるよ。
今はね、
利益は1/3ずつと思ってるんだ。
つまり
1/3はお客さんが安く買えた満足、1/3は部品を手伝ってくれる野球チームの仲間に1/3はボクとカミさん。
それでいい。でもそろそろ事業として真面目に考えようと少しずつ考えてる。
カミさんはね
「お父さん、儲けちゃだめだよ。46年間も働いたんだからそんな一生懸命やることはない」と言うよ(笑)
実は同じ会社にいたんだ。だから心情はわかるのかな。
売り上げから小遣い渡すと機嫌が良くなる。
理解はしてくれてる。仲がいい友達が同居してるって感じかな。
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